りらく

りらく、Oracle Cloud Infrastructure上のMySQLマネージド・データベース・サービスを採用し統合DB構築を実現
AWSから移行し、年間コストは同等のスペックで1/2以下に

「2018年からの3年間、急速なデジタル化を推進したことでサブシステム間でAPIが乱立、全体構造が複雑化したことでさまざまな課題を抱えていました。
これらの課題の解決を図り、データベースの最適化やシステム復旧のスピード向上などを実現するために、統合DB構築基盤としてOracle Cloud InfrastructureとMySQL のマネージド・データベース・サービスの採用を決定しました。システムの安定性を確保しながら、コスト削減にも成功しました。
将来的にはAmazon RedshiftをHeatWaveに置き換えることを含め、Oracle Cloud Infrastructureへすべて移行したいと考えています。」


株式会社りらく
DX本部長
額田 利規 氏

概要

リラクゼーション施設「りらくる」を全国に展開する株式会社りらくは、2009年の創業から約10年間で620店舗、14,500人以上のセラピス トを有する(2021年3月現在)、日本のリラクゼーション業界1位に急成長した企業です。りらくはOracle Cloud Infrastructure(OCI)とMySQL のマネージド・データベース・サービスを採用してデータを一元管理する統合DBを構築しています。

また、システム基盤をAWSからOCIへ移行したことで、同様の処理性能を実現する構成でも大幅なコスト削減とパフォーマンス向上を実現しています。

ビジネス上の課題

りらくは2018年からアナログかつマニュアルが中心だった業務プロセスのほぼ全領域でシステム化し、3年間で急速なDX化を推進しました。 しかし、会社の急成長に伴い、急ピッチにシステムを追加しながらDX化を推進したことにより、軸となる3つのサブシステムや周辺サブシステムにおいていくつかの大きな課題を抱えていました。

  • 複数のサブシステムで独自にDBを保持していたため、データが一元管理されていなかった
  • 複数のサブシステムのDBからETLツールを使ってAmazon Redshiftにデータ連携していた
    そのため、OLTP用DBとOLAP用DBが分離されており、リアルタイム性が低かった
  • データがサブシステム間で分断されているため、外部システムへのデータ提供や外部システムで生成されたデータの格納が困難だった

これらのシステム課題のために、ビジネス拡大に伴うシステムの拡張性が確保できない、経営に役立つリアルアイム分析が実現できない、システム障害時のダウンタイムがビジネスに与える影響が大きいなど、経営面でも多くの課題を抱えていました。

導入の効果

りらくは、OCI上のMySQL マネージド・データベース・サービスを採用し、サブシステムごとに別インスタンスで保持していたDBを統合し、同一インスタンスで統合DBを構築することにしました。約1年半 かけて、軸となる3つのサブシステムをAWSからOCIに移行する計画を立てて、順次リプレースを進めています。 2022年1月時点で2つ目のサブシステムの移行が完了し、複雑なDB連携やサブシステム間連携による問題が解決しました。また、現在段階でもインフラコ ストを削減できていますが、2022年4月に3サブシステムをすべてOCIに移行した場合は、同等スペックを実現する構成で全体で約50%のコストダウンと試算しています。

また、MySQL のマネージド・データベース・サービスの採用により、システムの拡張性、安全性の高いシステム基盤を実現しました。マネージド・データベースとしての運用容易性を保ちつつ、高スペックなシェイプも比較的安価に利用することが可能になったうえに、最新バージョンのMySQL8.0を利用できたり、MySQLの開発元であるオラクルからMySQL部分についてもコアなサポートが受けられることなども大きな安心感につながっています。さらに、パフォーマンスも大幅に向上しました。セラピスト系システムにおいて、よく利用される画面やバッチを抽出して比較したところ、最大90%のパフォーマンス改善が確認できました。今後HeatWaveを利用することで、ETLツールやAmazon Redshiftも不要になり、柔軟なリアルタイムデータ分析と一層のパフォーマンス向上が期待されています。

Oracle Cloud Days 2021での講演資料、動画

本事例に関して、2021年11月9日(火)~12日(金)に開催したOracle Cloud Days 2021で発表して頂きました。講演資料、動画はこちらから参照できますので、是非ご覧下さい。

Riraku case study

株式会社りらくについて

株式会社りらくは、全身もみほぐし「60分3600円(税込)(2022年1月現在)」とリーズナブルな料金設定で人気のリラクゼーション施設「り らくる」を全国に展開しています。日本のリラクゼーション市場シェアは20%を超え、業界1位に急成長した企業です。働く時間や場所を自由に登録できるセラピスト系システム、アプリ会員数120万人・直近アクティブユーザー60万人を管理する顧客系システム、予約とセラピストをマッチングする店舗系システムの3つの主要なサブシステムと、ほかに報酬計算系システム、分析用システムがマルチクラウドで稼働しています。